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LIBERTY・オリジナル18禁アダルトフィギュア ガレージキットの、販売用完成品製作日記&原型製作進行を記していくブログです。
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春日 恵理編  25 初恋の人 その6

 蟻集市の五十キロほど北に位置するH市は、内陸の山地沿いにある中規模の都市である。
 最近、H市の周辺では蝙蝠型異獣の出没が相次ぎ、数人の犠牲者も出ていたので、市民は不安を感じながら生活していた。今日の早朝に郊外で墜落した自衛隊の攻撃ヘリのニュースも、原因は不明と報道されていたが、やはり市民に不安感を与えた。
 その日の夕方、H市の上空を多数の自衛隊ヘリが様々な方向に向かって頻繁に飛んでいくのが見えた。また、市内の道路を多くの軍用トラックや走行車両が通過していくのも見られ、H市周辺は戦争前夜という雰囲気を醸し出していた。

 日も落ちて蒼い闇が街を包む頃、恵理と藤堂を乗せた専用車は、そのH市の中心から少し離れた場所にある陸上自衛隊の駐屯地に向かって走っていた。専用車を駐屯地の司令部ビルの前に駐車し、守衛に身分証明書を提示してビルの中に入る恵理と藤堂。
 二人は、足早に歩いてビルの三階にある指令センターに入る。そこでは、この地域の陸自防衛師団の師団長が、数人の参謀とともに作戦会議を行っている最中であった。
「作戦会議中に失礼します、師団長。」
 恵理が、師団長に軽めの挨拶をする。
「ああ、春日様、ご苦労様です。お久しぶりですな。」
 丁重な態度で応ずる師団長。参謀達も恵理に向かって敬礼する。
「ふむ、、、、これが部隊配置計画ですかな。」
 恵理が、師団長の前にあるテーブル状の立体モニターの上に表示されている、H市周辺の地形と部隊配置図の立体映像を見て言う。
「ええ、、、、ご覧の通り、関東方面隊より多数の部隊を動員して、H市と山間部の間に厳重な防衛線を構築する計画です。明日の夜間までには配置が完了する予定です。」
 恵理は、部隊配置図と展開部隊の装備などの情報を、情報パネルを開いて確認している。
「、、、、、部隊の規模は十分だと思いますが、装備は大丈夫ですか?対魔獣用のリニアガンは関東方面隊では不足しているのでは。」
「、、、、確かにその点が少し心細いですが、東北方面隊の物を借り受けて配置する予定です。これも数日中に到着するでしょう。」
 ただの凶暴な生物である異獣と異なり、魔術を操る事の出来る魔獣は自身の周囲に防御結界を張り巡らしている事が多く、その場合火薬式の通常火器では歯が立たなかった。
 そこで、強力な貫通力を持つリニアガンやレーザー兵器などが開発されつつあったが、まだ生産数が少なく、しかも異獣との激戦地域である北海道や九州方面隊に優先して配備され、比較的大型異獣の出現が少ない関東ではまだ十門程度しか配備されていない。

 「、、、、、当方としても、配下の退魔師を十人ほど防衛ラインに派遣する用意があります。自衛隊の部隊配置が完了するまでの補佐にいかがか、と。」
 恵理は、部隊配置の情報を見て、陸自の防衛部隊が手薄だと即座に判断し、師団長にそう提案する。しかし、初老の師団長は軽く首を振る。
「、、、、、いや、それには及びません。私の指揮下の自衛隊師団でH市は十分防衛可能ですよ。退魔師衆は市内の警護の方をお願いいたします。異獣の数匹程度は迷い込むかも知れませんからな。」
 表面的には丁重に見えたが、師団長の態度はそっけなかった。退魔師衆とは共同作戦を取りたくないという意思が透けて見えた。
「、、、、そうですか。それでは、退魔師衆は飛燕機関と共同で市内の警備の方にあたらせていただきます。相互間の情報伝達をよろしく頼みます。」
「それはもちろん。では、作戦会議で忙しいで、これで。」
 師団長はそう言って会見を切り上げる。恵理も特に話を続ける気はなく、きびすを返して部屋を出て行こうとする。
 ”退魔師なんぞと二度と組めるかよ、、、、”
 恵理は、師団長がそうかすかに呟くのを聞き逃さなかったが、彼女は気づかないふりをしてそのまま指令センターを後にする。

「、、、、なんか、相変わらず自衛隊さんは気位が高いですなあ。ウチの機関とも折り合いはあまり良くないらしいんですけどね。」
 ビルの廊下を歩きながら、藤堂が言う。自衛隊は対異獣のプロ集団という誇りが強く、民間組織である飛燕機関や春日退魔師衆とはあまり良い関係とは言えなかった。
 一応、自衛隊側も異能者の集団である退魔師衆には敬意を払ってはいたのだが、なるべくなら自分達だけで任務を遂行したいというプライドが先行していた。
”、、、、、ただ、春日家の方にも問題はあったからな、、、。”
 恵理は、表情は変えずに心の中でため息をつく。問題とは先代当主の貞光のやり方にあった。傲慢な性格の貞光は露骨に自衛隊を見下す事が多く、共同作戦の際に頻繁にトラブルを起こしていたのだった。1年前に当主の座を引き継いだ恵理は、いろいろと見えない苦労を強いられていた。

 司令部ビルを出た二人は、表に白塗りの恵理専用の高級車が止まっているのに気づく。
「春日様。只今到着いたしました。」
 高級車から降りてきたのは、春日家当主の個人秘書である菊池了だった。二十代後半の端正な顔は表情を崩さず、洗練された動作で当主の恵理に配下の礼をする。
「うむ、ご苦労。」
 恵理はそれだけ言うと、藤堂の方を向いて言う。
「、、、私はこれから退魔師衆の指揮に就くので、藤堂はA市の本部に戻っていてくれ。数日はH市に張り付いている必要があるだろうからな。」
 春日家当主である恵理は、平常時には退魔師集団の緊急でない連絡や管理を菊池に任せ、自身は藤堂と組んで市街地などの巡回パトロールの任務についていたが、今回の様な重要な作戦の際は、自らが直接指揮を取り、菊池は彼女の補佐役に回る。
「はい、了解しました。、、、、、ふーむ、、、。」
 藤堂は、一度返答した後、少し考える。
「、、、、私も、H市に残って警備部隊に入れてもらおうかと思います。H市にも機関の支部がありますし、そこに顔を出して来ますよ。」
「む、、、、しかし、もしかすると激戦になるかも知れん。A市に下がっておいた方が安全だぞ。」
 ちょっと心配そうな表情を見せて、藤堂に忠告する恵理。
「もし激戦になるなら、それこそ人手が要るでしょうし。大丈夫、無茶はしませんよ。」
「そうか、、、、気をつけてな。本当に無茶はするなよ。」
 藤堂は、にこやかに手を振って専用車に乗る。一瞬、彼は菊池から鋭い視線を浴びせられた気がしたが、そのままドアを閉める。走り去っていく専用車を、軽く手を挙げて見送る恵理。
「、、、、、自衛隊の防衛網では、異獣の集団を押さえ込むのは難しいでしょうか。」
 恵理の言葉を聞いていた菊池が、そう聞いてくる。
「うむ、、、、部隊配置が完成すれば何とかなりそうだが、それより前に異獣に襲来されると、、、、、。ここ二、三日が山だな。菊池、急ぐぞ。準備は早い方がいい。必要に応じて飛燕機関とも協議せねばならぬ。」
「了解しました。」
 二人は白塗りの高級車に乗り込み、市内のいずこかへ向かって走り去っていく。 
 


「ふぁぁ~、、、、。」
 次の日の早朝、藤堂は何故かH市の北側の郊外にある大根畑の脇に立っていた。市内パトロール時と同じアサルトスーツを着込んでいる。まだ眠いのか、彼はさかんに欠伸をしながら農道を歩いていく。
 畑の向こう側にある農家の玄関前に立ち、旧式のインターホンを押す藤堂。
「お早うございます。さっきお電話しました飛燕機関の者です。お宅の農地をお借りしたくて来ましたあっ。」
 ガラッ!と勢い良く玄関のドアが開き、中からいかにも頑固そうな親父が出てくる。
「おいっ!、ちょっと困るんだけどなあ~。今日は農薬散布に大根の肥料やり、ホウレンソウやピーマンの世話もあるんだぞっ。」
「あ~、いや、そこを何とか、、、、。異獣退治のために、ここに機関砲を配置させて欲しいんです。数日間だけですから、何とぞ、よろしく。」
 大声で不満を言う農家の親父をなんとかなだめようとする藤堂。
「機関砲ねえ、、、。畑を荒らすのはやめて欲しいんだが。」
「そこはもう、ちゃんと避けて配置します。すみませんがご協力を、、、、」
「、、、、まぁ、異獣退治ならしょうがない協力するがなぁ、、、。しかし、ニュースじゃ自衛隊がちゃんと守ると言ってるじゃないか。こんな所に機関砲を置いてどうするんだ。」
「それは、もしものための備えという事で、、、、。すみません~、どうかひとつ。」
 とにかく拝むように低姿勢で頼み込む藤堂。腰の低さがなんとも板についている。
「、、、わかったわかった。数日ほったらかしにして駄目になった野菜の分は保障してもらえるんだろうな。」
「はいはい、その点は我々飛燕機関がきっちり保障いたします。」
 藤堂は、さんざん頭を下げ続けてようやく農地を借り、住んでいる農家の家族の避難を承諾させる事に成功した。

「やれやれ、、、けっこう大変だなあ。」
 農家の親父との交渉で眠気も吹き飛び、疲れた藤堂が汗を拭きながら歩いていると、向こうから藤堂と同じ飛燕機関の同僚警備員が走ってきた。
「あっ、藤堂さん、ちょっと来てくれませんかね。あっちの農家のじいさんが、どうしても立ち退かないと言い張って困ってるんですよ。」
「はぁ、、、、分かりました。行きましょう。」
 渋い顔をしながらも、同僚警備員と一緒に走っていく藤堂。



 その日の昼過ぎ、H市の中心街にある、春日コンツェルン資本による新しいビジネスビルの新築パーティーが行われようとしていた。煌びやかな数十階建ての未来的なシルエットを持つビルの前に、派手な飾りつけがされ、受付には地方の有力者や業界団体、地方・国会議員などが顔を出している。ビル前はちょっとしたイベント会場の様な賑やかさだった。
 H市郊外では陸上自衛隊による物々しい警戒態勢が引かれようとしていたが、H市市長の判断により、市内は通常通りの生活を続けている。異獣の危機が常に側にあり、”戦時”に慣れた2060年代の日本では、これもありふれた光景のひとつだった。
 もちろん、市庁舎や警察、そしてH市に在住する飛燕機関は、いざという時に対処できる警戒態勢にすでに入っている。

 賑わいを見せるビジネスビルの裏通りに、白い恵理の高級車が停車していた。そして、その後ろには大型の10トンクラスのトラックが見えた。トラックの荷台には大型の四角いコンテナが積まれている。銀色に輝くコンテナはかなり頑丈そうな作りで、後ろではなく何故か天井部分に扉の分割線があった。
 高級車の後部座席は簡易式の指揮通信装置が備え付けらていて、恵理はそこで多数展開された情報モニターを見ながら忙しくキーボードを操作している。
 「ふむ、、、、、これで必要な退魔師は揃ったな。よし、それではとりあえずパーティー会場で少しくつろいでいてもいいぞ。必要になったら召集をかける。
「了解しました。」「了解です。」「了解でございます。」
 モニターに映った十数人の退魔師からそれぞれ返答が来る。
「さて、、、では、私も少し会場の方を見てくるかな。」
 恵理は、後部座席から降りて歩道に立つ。彼女はいつもの学生服ではなく、黒いシックなドレスを着ていた。比較的地味なデザインだったが、恵理が着ると非常に映えた。
「それでは菊池、何かあれば即座に伝えてくれ。、、、、あと、指揮デバイスは持っていこう。」
「了解しました。」
 運転席から降りた菊池は、ヘッドフォン型の指揮デバイスと女物の手さげバッグを渡す。恵理はバッグに指揮デバイスを入れると、優雅にバッグを抱えてビジネスビルの表側に歩いていく。

 と、彼女の横に、三人の男女が突如として出現する。春日一族の退魔師である。
「それでは、我々がお供いたしましょう。」
 スーツで決めたオールバックの男が言う。
「あんた、、、今日の目当てはパーティーの方かい。気合入りすぎだよ。」
 普段着っぽいシャツとジーパン姿の女性が呆れたように言う。
「ふっ、当然ですよ、美晴様、、、。」
「まあ、こいつはいつもこういう奴ですから。」
 野球帽にジャージというラフな格好の大柄な男が言う。
「、、、まあ、異獣が来ずにゆっくりパーティーを楽しめれば、それに越した事は無いがな。」
 恵理は、三人の男女を引き連れて受付に入る。受付の男は恵理を見るとハッと緊張して姿勢を正す。顔パスであった。

 三人がパーティー会場に入ると、丁度、春日コンツェルンの表の総帥である菊池CEOが会場挨拶をしていた。
『、、、、、このたびH市におきまして、このビジネスビルを開業しましたのは、この地域における春日グループ各企業の経営拠点のひとつとして、また、地域の皆様の経済活動と一体となるべく、他社様や自治体の方々にも存分にご利用していただく場を作りたいと考えたからでございます。このビルは一階から四階までが商業スペースとなっており、五階から二十二階までは、各企業様方のためのスペースとなって、、、、、、、』
 一階の大フロアを開放して作られたパーティー会場の壇上で、グループの総帥らしい威厳のある態度で挨拶をしている菊池CEO。
「、、、おのおの適当に楽しんでいてくれ。私も周辺を見て回る。」
「ありがとうございます。では。」
 パーティー会場の人ごみに消える三人。恵理は会場の中央には近寄らず、フロア横のエスカレーターを上りながら大フロアーの全体を上から見渡す。招待客の中には、市長や県知事、地元企業の経営者などの要人の姿も見える。
”これなら、いざという時はむしろここで彼らを守護するという手もある。要人が集まっているのは好都合かもな。”
 ビルの防衛方法なども考えながら会場内を観察する恵理。

「やあ、これはお美しい、、、。どちらのお嬢様ですか?お一人でしたらご一緒したいのですが。」
 開放式で一階フロアが見下ろせる二階のフロアで、恵理は正装した若い一般客の男性に呼び止められる。
「ありがとう。しかし、すまんが用事があるのでな。またにしてくれ。」
 率直に断って通り過ぎる恵理。今の恵理は当主としての威厳を消して目立たない様に歩いていたが、美しすぎる美貌はやはり人目を引いた。 
 恵理は、まだ準備中で人影の少ない商業スペースの所に行き、その一角の係員室のドアを開けて中に入る。まだ何もなくガランとした部屋の中で、恵理は指揮デバイスを頭に付けて、ビルの裏に待機している菊池と通信する。
「菊池、自衛隊の防衛線の方はどうだ。」
『はい。現在のところ異常はありません。部隊配置は少し遅れ気味の様です。』
「ふむ、、、。飛燕機関に頼んでいる対空防御陣地の方は。」
『20mm機関砲の自動砲座の設置はほぼ完了した様です。37mm機関砲の方はまだ5基しか現場に到着しておりません。射撃要員も人手が足りないそうです。』
「そうか、、、。昨日深夜に要請したばかりだからな。直ぐに配置が整わないのはやむを得んか。もう少ししたら私も陣地の方に向かおう。」
 恵理は指揮デバイスを外してバッグにしまうと、再びパーティー会場に歩いていく。



 H市の中心街から北に二十キロほどの山地の麓付近に、国が施設した厳重なバリケードが東西に長く伸びていた。
 このバリケードの北側に広がる山地は異獣のテリトリーであり、人が入り込む事は禁止されている。しかし、異獣の群れはたびたびこのバリケードを超えて人間の住む地域に侵入して来ていた。しかも、今回問題視されているのは空を飛ぶ蝙蝠型異獣であり、バリケードはまったく役に立たない。
 そのバリケードの付近に、自衛隊の車両が次々とやって来て、部隊の兵員やその装備をどんどん下ろしていく。どんよりと曇って昼間なのに薄暗い上空には、数機のヘリコプターが忙しく宙を舞っている。
「対空機関砲の設置が遅れているぞ!急げ!」
 指揮官の怒鳴り声に、自衛隊員達はあわてて設置作業を進める。
 軍用車両で牽引してきた設置型の対空機関砲を所定の位置で展開、固定して射撃体勢を整えていく。軽機動車の荷台に機関砲を搭載した自走対空砲の姿も見られる。
「対異獣レーダー車はどうした。とっくに来ている筈だぞ!」
 部隊展開が遅れ気味で苛立っている指揮官が怒鳴る。
「は、はい、レーダー車は市内を走行中にエンジントラブルを起こし、到着までもうしばらくかかるそうです。」
「なんだそれはっ。肝心な時に、、。」

 対異獣レーダー車の到着が遅れたのが、その部隊にとって命取りになった。
「うん?、あの黒いのは、、、、、」
 山地の森の方を見ていた自衛隊員が、何かを発見する。双眼鏡を覗くと、森の木々の下から、巨大な黒い蝙蝠の様な化け物が飛び出して来るのが見える。一体だけではない。森の切れ目のあちこちから、蝙蝠型異獣がぞくぞくと湧くように飛び出してくる。数十体どころの数ではなかった。とても数え切れない。
「あああっ、、、、異獣、来襲っ!!敵襲だっ、敵襲!!」
 部隊があわてて迎撃体制を整える間もなく、蝙蝠型異獣の大群は地表から十メートル程の低高度で平地に侵入し、バリケードを超えて自衛隊員達に襲いかかる。完全な奇襲となった。
「わああっ」「ぐあっ!」「ギャアッ、、、」
 人間よりも巨大な胴体を持つ蝙蝠型異獣は、迷う事無く自衛隊員に襲い掛かり、その身体に喰らいつく。異獣の目的は、潤沢にある食料ー人間だった。あちこちで凄まじい悲鳴が響き、食い散らされた隊員の身体の破片が撒き散らされる。
「畜生!よ、よくもっ!」
 ようやく射撃体勢を整えた対空機関砲が、至近距離で異獣の群れに発砲する。数体の異獣が砲弾を受けてバラバラになるが、蝙蝠型異獣は危険を察してわっと散る。
「ばっ、化け物めっ」
 頭上に舞う異獣に向けて、機関砲や手持ちの自動小銃などが激しく銃撃を浴びせるが、高度が低すぎるのと異獣の飛び方が木の葉の様にひらひらと不規則に舞うため、なかなか狙いが付けられない。 
 そんな銃撃の間を縫って、異獣は地上の自衛隊員に襲いかかり、その首や腕を食いちぎる。
「ぎゃあああーっ!!」
 部隊の指揮官も、数体の異獣に襲いかかられてなすすべもなく食い殺されてしまった。


「第三中隊っ!!どうしました、、応答してくださいっ!」
 H市の自衛隊司令部が異常に気づいた時には、蝙蝠型異獣の大群に襲われた部隊は壊滅し、脆くも防衛線が突破されてしまった。
「くそっ、、、攻撃ヘリを現場に急行させろ!」
「了解しました。」
 突然の非常事態に焦る師団長。その指示を受けたオペレーターが、他の地域を周回中の攻撃ヘリに指令を伝える。
 
 司令部の指令を受けた攻撃ヘリが現場に急行しようとH市郊外の北を飛んでいくと、眼下に低空を飛行する蝙蝠型異獣の大群を発見する。ゆうに百体は超える数だ。
「異獣の集団を発見!凄い数です!、、、これから攻撃に移ります。」
 攻撃ヘリは、対空目標用に開発された近接信管付のロケット弾を発射する。群れの中で炸裂し、数体が吹き飛ばされた。しかし、数が多すぎる。
 攻撃ヘリは市街地に向かう群れの後方から攻撃を続けていたが、その時、上空の厚い雲の中から巨大な黒いシルエットが飛び出し、信じられないスピードで攻撃ヘリに接近する。
「うんっ?あれは、、、」
 パイロットがその巨大な影に気づいた時には、凄まじい超音波を浴びてなすすべもなく意識を失い、次の瞬間には、攻撃ヘリの機体は空中でぐしゃりと捻じ曲がって墜落する。

 昨日失われた二機とまったく同じ様に攻撃ヘリは撃墜され、邪魔の無くなった蝙蝠型異獣の大群は、真っ直ぐにH市を目指して進んでいく。



 恵理は、パーティー会場に戻り、ビジネスビル担当者の仕事振りや招かれている地方の有力者達の様子を、少し外れた場所から眺めてチェックしていた。
 すると、バックの中に携帯していた指揮デバイスからピーッと非常音が鳴る。
「恵理だ。どうした菊池。」
 素早く頭に指揮デバイスを装着し、応答する恵理。
『非常事態です。蝙蝠型異獣の大集団が自衛隊の防衛ラインの北側を突破したそうです。北方より真っ直ぐH市に向かっている模様。』
「なに?、、、そうか、判った。直ぐに各人と飛燕機関にそれを伝えろ。」
『了解しました。』
”くっ、早いな、、、、、”
 恵理は内心舌打ちしながら通信を切ると、指揮デバイスを操作してビル内のスピーカーとリンクさせる。彼女の持つ指揮デバイスは、春日コンツェルンの施設内設備を直接操作する事が可能だった。

”ウオオオオオーンン、、、、ウオオオオオーン、、、”
 突如、パーティ会場に非常用のサイレンが響き渡る。何事かと驚いて周囲を見回す来客たち。
《パーティー会場にお越しの皆様、私は春日退魔師衆の当主、春日恵理です。、、、只今、H市郊外の北にある自衛隊の防衛ラインが、異獣の大集団に突破されたという情報が入りました。異獣の群れはこちらの市街地に向かっている模様です。》
 スピーカーとリンクした指揮デバイスを通じて、会場にアナウンスして危機を説明する恵理。
 会場のあちこちから悲鳴に似たざわめきが上がり、動揺が広がる。
《お静かにっ!!》
 動揺する来客達に向けて、威圧感を声色に乗せてスピーカーから響かせる恵理。来客のざわめきが消える。
《、、、、皆様、ご安心ください。このビルの地下はいざという時のためにシェルター構造になっております。係員の指示に従い、地下一階に移動してください。地上は、我々退魔師衆が責任を持って防衛いたします。》
 退魔師衆が守るという恵理の話を聞いて、かなり安堵の色を見せる来客達。退魔師衆の信頼感は一般市民の間でも高かった。  
 すると、話を聞いていたH市の市長が、大声でどこに居るか判らない恵理に聞いてくる。
「ああ、春日当主っ!!私は市長ですが、その、、、市の防衛はどうなるんですかねっ。市の警備部隊だけでは、、、」
 恵理は、動揺気味の市長に内心苦笑しながら答える。
《既に防衛ラインが破られた時の対応策を準備しております。春日退魔師衆と飛燕機関にお任せ下さい。》
 恵理はそれだけ言うと、通信を菊池CEOの方に切り替える。呼び出しをかけると直ぐに応答があった。
『はい、菊池です。』
「菊池、私はこれから異獣の迎撃に向かう。ビルの方は頼む。」
『了解いたしました、春日様。どうかお気をつけ下さい。』
 恵理は人ごみをかわし、風の様に素早く移動してビルの外に出た。


 恵理は、外を歩きながらも指揮デバイスで指示を矢継ぎ早に出し続ける。
「、、、、、真崎、権藤、福原の三人はビルの周辺に防御結界を張って待機。他の九人は私を追って上空に来い。私は今からビルの上空に上がる。」
 その直後、恵理の身体がふわりと宙を浮き、更に彼女の背中に巨大な羽が出現する。恵理が使用する羽玉により形成される飛行用の術具である。
 恵理は、そのまま猛スピードで空中を上昇し、あっという間にビル街を抜けてH市上空二百メートルほどの高度に上昇する。
「、、、、、、、、」
 恵理は、視神経に意識を集中して遠視能力を使い、H市の郊外の北方向を見渡す。
 間もなく、彼女の遠視が十キロメートル以下に接近した蝙蝠型異獣の大群を捉えた。
「む、八十、百三十、、、百九十四体か。予想より多いな、、、。しかし、、、、、」
 恵理は異獣の数を正確に把握したが、通常の蝙蝠型異獣の姿しか見当たらない。彼女は群れの周囲をもっと良く観察する。
「むっ、、、あれか?」
 彼女は、群れのいる丁度真上の位置にある雲の中に、一体の巨大な怪物の気配を感じた。その側に更に数十体の蝙蝠型異獣も居る様だ。兵隊は低空で、ボスは上空の雲に隠れる配置らしい。
「なるほど、魔獣も少しは考える様だな。」
 恵理は、その”陣形”に魔獣の持つ知能を改めて感じていた。



 その頃、郊外の畑作農地で自動機関砲座の設置作業をしていた藤堂たち飛燕機関の警備員は、突然の呼び出しで作業を中断した。
『各員に継ぐ。まもなくそこには異獣の大群がやって来る。残った作業を中断して直ちに公民館に避難したまえ。繰り返す。直ちに作業を中断して非難しろ。』
「ええっ、もう自衛隊がやられたのっ?」
 藤堂は、同僚と一緒に慌てて近所の公民館に逃げ込む。そこは異獣対策が考慮された新しい建物で、外壁やガラス窓が強固に作られており、いざという時に住民が避難出来る様になっていた。
 三十人ほどの警備員が公民館内に逃げ込んでくる。
「おい、俺たち射撃要員まで退避しちまっていいのかね。」
 重機関銃を担いだ男が隣に聞く。
「ああ、そういう指示が来ている。対空射撃は自動砲座に任せろとさ。異獣の数が多すぎて、外に出るのは危険すぎるんだそうだ。」
「ええっ、それじゃ、ここなんかすぐ突破されちまうんじゃ、、、。」
 警備員たちの間で不安が広がる。

「春日様、大丈夫かなあ、、、。」
 藤堂は、公民館の防弾ガラスの窓の外に見える、灰色の雲に閉ざされた空を、不安げに見上げた。 




ーーーーーーーーー 続く





 「初恋の人 その6」です。
 前回までとはがらっと趣向が変わり、恵理率いる退魔師衆と異獣の大集団との対決という戦闘主体の話です。

 従来のこの手の話ではあまり無い、退魔師以外の自衛隊などの描写も絡めてみました。ちょっとリアル志向というか、怪獣映画っぽいかも。
 恵理編における自衛隊はあくまで引き立て役で、結構情けない描写になってしまいましたが、関東の部隊は所詮二線級で、ちゃんと異獣退治を専門にするエリート部隊が別に居るという設定です。




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