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春日 恵理編  26  初恋の人  その7


「、、、、、来たか。」
 H市上空二百メートルの空中に浮遊して、蝙蝠型異獣の大群の様子を確認していた恵理の周囲に、九人の退魔師が飛来してきて集結する。
「只今参りました、春日様。」
 そろって全員が恵理に向かって礼をする。退魔師はそれぞれ年恰好はバラバラで、二十~三十代が多かったが、十代前半のあどけない少年や六十代と見られる初老の男性も居た。半数程度は背中に恵理と同様の羽を背負っていたが、その形もワシや蝙蝠、巨大な蛾の羽根に見える様な物など様々である。
 彼ら九人は、蝙蝠型異獣との対決のために呼び出された飛行能力を持つ退魔師で、退魔師衆の中でも強力な能力を持つ術者が選ばれていた。一人でも自衛隊の一個中隊程度は軽く蹴散らす能力を持っている。

「ご苦労。、、、異獣の大群は、あれだ。」
 恵理がH市の北の郊外の一角を指す。集まった九人は全て遠視能力を持っているため、恵理と同様に簡単に異獣の大群を発見する。
「ありゃあ~、自衛隊さん、全然仕事してないじゃん。余計な手間をかけさせやがって。」
 先ほど恵理と一緒にパーティー会場に入った、野球帽を被った大柄な男、星弘治が言う。
「あの数は、、、、ちょっとやっかいですね。市内に入る前に全て駆除するのは困難ではないでしょうか。」
 以前、T市での魔獣討伐戦にも参加していた李が心配そうに言う。
「うむ、確かに厳しいが、、、、。そこは、私が何とかしよう。」
「恵理様自らですか?」
 こちらもパーティー会場に来ていた女性、春日美晴が言う。彼女は春日家の親族だった。
「そうだ。今朝説明した通り、各員は散開して異獣の群れを四方から取り囲み、群れを誘導して飛燕機関が敷設した対空機関砲陣地に誘い込む。、、、しかし、この大群では機関砲では処理し切れまい。私が群れの中央に入り込んで直接攻撃を仕掛ける。」
 恵理の作戦に、退魔師たちは困惑の色を見せる。
「、、、、しかし、いかに春日様とは言え、お一人では危険ではございませんか?」
 スーツで決めた伊達男、水木英樹が心配そうに言う。
「、、、まあ、機関砲の炸裂弾を全て防ぎながら攻撃を続ける自信があるなら、中央を任せても良いのだが。」
「ううっ、それは、、、」
 水木は怯んで引き下がる。
 恵理は様々な術を習得し、多種の武玉を使いこなす事が出来たが、最も得意とする術式は様々な攻撃に対処する多彩な防御結界であった。彼女の鉄壁の防御は、死ぬ事を許されない春日家当主ならではの能力と言える。

「、、、まあ、通常の蝙蝠型異獣であれば、何体相手にしようがここに居るお前達なら危険は少ない。、、、用心するべきは、上空の雲に隠れているあいつだ。」
 恵理は異獣の大群の真上の雲を指差す。常人には雲以外何も見えない筈だが、ここに居る退魔師衆には恵理同様に巨大な影が潜んでいるのが感じられる。
「、、、あれが、恐らく自衛隊の攻撃ヘリを落とした魔獣だろう。我々が群れを攻撃している最中に、上空から襲ってくる可能性が高い。常に上に注意を怠るな。手ごわい様なら無理をせず退避しろ。」
「、、、、了解しました。」
 一同が恵理の言葉に頷く。
「それでは、伊藤を除く八人は手筈通り散開。指定したポイントに群れを誘導しろ、以上だ。」
 八人は礼をすると、それぞれ所定の位置に向かって飛び去っていく。
「、、、、伊藤、お前は私に付いてこい。今回が初陣だったな。」
「はいっ!春日さまっ!」
 一人残ったあどけなさの残る少年の伊藤俊は、再び下方のビルに戻る恵理の後を追う。彼はまだ13才の中学生であった。 



 八人の退魔師は、当主恵理の命令通りに二人ペアとなって四方に散開し、蝙蝠型異獣の大群を外側から取り囲む様に配置につく。
 異獣の群れを、飛燕機関が敷説した自動機関砲陣地の上に誘導する作戦だが、群れの進路が西側にずれていたため、西北に位置していた水木と春日晴美のコンビが、群れに向かって攻撃する。
「はあっ!!」
 晴美は得意の風術を使い、凄まじい強風を異獣の群れに浴びせる。
「キイーッ!」
 甲高い叫び声を浴びせて吹っ飛んでいく蝙蝠型異獣。逃げ惑う異獣の何体かが逆に西に逃げようとするが、そこを水木が待ち構えていた。
「おおっと、そっちじゃないですよ。」
 水木は空中に多数の氷の矢を出現させ、それを異獣に浴びせかける。
「ギイイッ!!」「ギアッ!!」
 数体の異獣が、氷の矢で串刺しにされて落ちていく。

 一方、東南に位置していた星と李のコンビの前に、異獣の大群が向かってくる。
「よっしゃ、俺の槍で、、、、。」
 星は槍玉使いだった。自分の周囲に五本ほどの槍を一気に出現させて、群れに放とうとする。
「攻撃は待ってください、星さん!」
「な、なにっ?」
 李に静止されて、ガクッと来る星。
「、、、、こっちの方向に群れを誘導しないと駄目ですよ。」
 李は、懐から数十枚の札を取り出して、地面にばら撒く。
「、、、、、、、、、」
 李が印を結んで念ずると、その札が人間の姿に変わる。彼の術によるヒトガタである。
 ふらふらと歩いているヒトガタに誘われて、まんまと思った方向に誘導される異獣の群れ。 
「よし、いい調子ですね、そのままそのまま、、、、」
 更にヒトガタを仕掛けながら、南東方向に後退しつつ群れをおびき寄せる李。


 八人の退魔師が順調に異獣の大群を追い込んでいた頃、恵理はビジネスビルの裏に停めてあったトラックのコンテナの上にいた。指揮デバイスの仮想モニターを頭の周囲に展開して、八人に指示を与えている。
「よし、上手いぞ、、、、そのまま追い込め。私もそろそろ出る。」
 恵理は、コンテナの上空五メートル程の所に身を浮かばせる。
「武器庫、扉を開け」
 恵理が命じると、銀色に輝くコンテナの上部がぱかっと開き、天井が観音開きになる。
 コンテナの中には、六門の二十ミリ機関砲と弾薬がずらっと並んでいた。航空機に搭載されるタイプの物である。
 と、その機関砲がふわりと浮かび上がり、次々とコンテナから飛び上がっていく。そして、六門の機関砲は恵理の身体の左右の少し離れた所に三門づつ、浮かんだ状態で配置された。恵理が力玉の念動力で動かしているのである。
 20mm機関砲の全長は恵理の背丈より長く、それを左右で六門も従える光景は異様というしか無かった。
「伊藤!」
「はっ、はいっ!!」
 機関砲を”装備”した恵理の姿に唖然としていた俊は、呼ばれて我に返る。
「お前は機関砲弾の補給の役目だ。補給は戦の要となる重要な任務だぞ。私が呼んだら、コンテナの中にある弾薬ケースを持ってくるんだ、いいな。」
「はいっ、頑張りますっ!!」
 初々しい返事を返す俊。恵理はそんな俊を見て一瞬優しい表情を見せた後、機関砲を従えたまま上空に舞い上がり、早いスピードで戦場に向かった。


 李は要所にヒトガタを仕掛けながら巧みに大群を機関砲陣地の方向に誘導していたが、連続で法術を使用しているのでさすがに疲労の色が見えてくる。
「李さんっ、大丈夫か?」
 李に近づきすぎた蝙蝠型異獣を、槍で牽制しながら呼びかける星。
「ありがとうございます。大丈夫です。」
 なおも二人が後退していくと、ようやく背後に機関砲座が仕掛けられた畑作地帯が見えてくる。
「よしっ、ここまで引きつければ大丈夫だっ。李さん、東側に避けるぞっ。」
「了解しました。」
 機関砲陣地の手前で方向を変えて東に退避する星と李。

「よしっ、このまま追い込むよっ!!」
 一方、群れの北側から追い込む位置に居た晴美たちは、仕上げとばかりに派手に各自の法術を全力で大群にぶつけ合う。
「キャアアアッ」「キュオッ」「キュアッ」
 耳障りな金切り声を上げて逃げ惑う蝙蝠型異獣。追い立てられて動揺した群れは、恵理の計画通りに機関砲陣地地帯にどっと流れ込む様に侵入する。


「おいっ、来たぞっ!!あれだ」
 公民館に避難していた飛燕機関の警備員達は、二階に上がって窓から外を見ている。
 藤堂も、北の方角から多数の黒い点が迫ってくるのを見つける。それはどんどん大きくなって、肉眼でもはっきり巨大な蝙蝠のシルエットが判るほどになった。
『今だ、全門、射撃開始。』
「了解っ!!」
 恵理からの指令を受けて、自動砲座をコントロールしている警備員が起動スイッチを押す。
 ババババババッ!!、、、、バババババッ!!
 防音した公民館の中にも凄まじい大音響が響き、ガラスがビリビリと震えた。昼間でもはっきり見える曳航弾の筋が畑作地帯のあちこちから打ち上げられ、上空に時限信管で炸裂した弾丸の煙が撒き散らされて空を覆う。
「すっ、すごい、、、。」
 戦場そのものの凄まじい光景に圧倒される藤堂。地上の射撃音と、空でドン!ドン!と炸裂する爆音が休みなく響きわたる。
「よっ、、、よしっ、これなら、異獣のやつらも、、、。」
 藤堂の傍らの同僚警備員が思わず両手を握り締める。
 凄まじい自動機関砲の集中砲火に、異獣の大群も壊滅したかに見えた。
「うっ、でも、あれは、、、、」
 藤堂は、煙で覆いつくされた弾幕地帯から、何体も蝙蝠型異獣が抜けて出てくるのを発見する。
「ちきしょう、撃ちもらしたやつがいるぞッ!!」
 警備員の間に動揺が広がる。


 、、、、しかし、そこに待ち構えていたのが、20mm機関砲を六門”装備”した恵理だった。
左右に三門づつ並んだ黒光りする鋼の銃身の中央に浮かんでいる彼女は、美しい髪とドレスを軽くなびかせ、背中には鶴の羽根を巨大化させた様な白い翼を展開させている。
 彼女はあくまで平静な表情で、戦いに向かう緊張感や昂ぶりなどの感情はまるで感じられない。空中でも、いつもと同じ優雅な直立姿勢を保っていた。また、彼女の髪や衣装はあまり激しくは動かず、防御結界が周囲の風の影響も止めているのが見て取れる。

「む、、、、やはり突破してきたな。」
 機関砲陣地から多数の蝙蝠型異獣が飛び出して来たのを確認した恵理は、六門中四門の機関砲の角度を動かして、異獣めがけて発射する。
「キシャアアアッ!!」「ギュアッ!!」
 一連射で、四体の異獣が同時に弾丸を受け、身体がバラバラに飛び散る。
「、、、、、、」
 恵理は無言で次の目標を捉え、それも一連射でまとめて撃破。
 彼女は力玉の念動力で浮いている四門の機関砲を個別に照準し、複数の目標に対して同時に射撃していた。射撃はきわめて正確で、ランダムに飛び交う蝙蝠型異獣を逃す事無く次々と打ち落としていく。まさに神の所業としか思えない、人知を超えた技である。
 H市の市街地方向に向かおうとした蝙蝠型異獣は、次々と機関砲弾の直撃を浴びてその身体を四散させる。数分の間に三十体以上の異獣を退治する恵理。
「弾が少なくなったな、、、伊藤、来い!」
 恵理は、少し後退しつつも射撃を続け、異獣が市街地に向かうのを許さない。まもなく四門の機関砲の弾薬が尽きたが、残る二門に切り替えてなおも異獣を牽制する。

「うっ、、、重いっ、、」
 俊は、自らの念動力の力を振り絞り、六門分の弾薬が入ったコンテナを空中に浮かべて運んで来る。彼の能力では弾薬の重量だけでも精一杯だった。
「春日さまっ、弾薬ですっ!!」
「ご苦労。」
 恵理は到着した弾薬コンテナをちらりと見ると、その蓋がパカッと開く。
 ほぼ同時に、六門の機関砲に付いていた円筒形のマガジンが外れ、すーっとコンテナの方に移動する。更にコンテナの中から六個の交換用のマガジンが飛び出し、それぞれ機関砲の後部の給弾部分にカチッと接続する。使用済みのマガジンの方は、入れ替わりにコンテナに全て収められた。
 全ての動作は、まるでマガジンやコンテナに意思があるかの様にスムーズに行われていた。いずれも恵理の念動力によるものである。俊は目の前の光景が信じられず、ぽかんとしてしまう。
「伊藤、なにをしている。空マガジンを持って帰って、次の弾薬を運んでくるのだ。」
「はっ、はいっ!!」
 恵理の叱責に、あわててコンテナを連れてトラックの場所に戻る俊。
”あれが全部恵理さまの念動力で動いているなんて、、、”
 目の前で見ていても、彼には信じられない光景だった。自分が力玉を使って同時に動かせる数はせいぜい三個程度であり、マガジンと機関砲の計18個を同時に動かすなど想像もできない。恵理の能力は、同じ退魔師から見ても理解を超えていた。

 弾薬の再装填を終えた恵理は、異獣の群れを包囲している八人の退魔師に指令を伝える。
「私はこれから陣地の上空に直接入って残りの異獣を殲滅する。お前たちは陣地の外周を取り囲み、外側から攻撃を仕掛けろ。一体も逃がすな。」
 恵理は、そう言うと六門の機関砲を携えたまま、自動機関砲陣地の真ん中に突っ込んでいった。陣地の上に厚く漂う硝煙の中に姿を消す恵理。

「よしっ、仕上げといきましょ。」
 晴美と水木は、陣地の外周の位置につき、外に逃れてくる異獣を次々と倒していく。
「うわ、、、、凄いですね、春日様は。」
 水木は異獣を探しながらも、硝煙の奥で戦っている恵理の姿を見て感嘆する。
「、、私も、あの戦い方ははじめて見るわ。あの方は本当に底が知れない、、、。」 
 晴美も同様に、硝煙の向こうを畏敬の表情で見る。 
 八人の退魔師が、完全に機関砲陣地の周囲を取り囲む形となり、蝙蝠型異獣の群れに対する包囲は完成した。こうなれば、蝙蝠型異獣に逃げ場は無かった。
  

「すげえ、、、いつまで続くんだ、、、」
 公民館の窓から機関砲陣地の砲撃を見ていた警備員の一人が呟く。
 一時、異獣の群れが陣地上空を通り過ぎてしまう様に見えた時もあったのだが、何が起こったのか異獣が引き返してきて、それを捉えた自動砲座が発砲を再開し、辺りは硝煙がはげしく立ち込めて視界が極端に悪くなっていた。
「あっ、あれは?、、、、」
 藤堂は、その硝煙の切れ目に見覚えのある女性の姿らしき物が見えた気がしたが、すぐにかき消されてしまう。
 その後も断続的に射撃音が響いていたが、やがてその頻度が少なくなり、ついに聞こえなくなる。
「、、、、、、、、」
 不気味な静寂に、緊張して陣地の方を見守り続ける警備員達。
 その時、自動砲座のコントロール担当者の通信機に恵理の連絡が入る。
『自動砲座の迎撃体制を解除せよ。、、、、異獣は全て殲滅した。』
「えっ?!本当ですかっ?」
 恵理の通信に、思わず聞き返す警備員。
『ここに居る異獣は殲滅した。迎撃体制を解除してくれ。』
「はっ、はいっ!!」
 恵理に再度即され、警備員はあわてて自動砲座を待機モードに切り替える。
 まもなく上空を覆っていた硝煙が晴れてくると、その彼方に、六門の機関砲を従えて巨大な白い羽を広げた恵理の姿が見えた。
「おお、、、、、」
 誰ともなく感嘆の声を上げる警備員達。藤堂も同様にその神々しい姿に見入っていた。
  

 陣地の上空に浮かんで待機している恵理の周囲に、八人の退魔師が飛来してくる。更に、苦しそうにしてコンテナを運んで来る俊の姿も見えた。
「、、、、これで終わり、、、じゃねえよな。」
 上空に垂れ込める雲を見上げて星が言う。
「、、、その通りだ。上空の魔獣が残っている。何故か襲い掛かって来なかったがな。」
 恵理も上空を見て言う。低空に居た異獣の大群を退魔師衆が殲滅している間、意外にも上空の黒い影はまったく動いてこなかった。
 恵理は俊からコンテナを受け取り、さっきと同様に空中で六門のマガジンを再装填する。
「す、すごい、、、、」
 李や他の対魔師も、俊と同様に再装填の様子を驚嘆して見ていた。 
「、、、さて、奴が何を考えているのかは知らんが、逃す訳にはいかん。、、、、星、晴美、水木、私と一緒に来い。上空に上がって魔獣を退治する。」
「了解!」「了解しました。」「了解です。」
 選ばれた三人が頷く。
「、、、残りの者は、この高度を保ったままで、魔獣と異獣のいる真下の位置に移動しろ。上空にいる異獣が降りて来た場合は、お前たちが追って倒せ。」
「判りました。」
「よし、、、行くぞ。」
 恵理と三人は、猛スピードで上昇して、雲の中に突入する。


 灰色の雲の中を突き進む四人。常人の眼ではまるで視界が利かない状態だったが、退魔師衆の中でも優れた能力を持つ四人にとってはまるで妨げにはならない。
「居ましたね。」
 四人はすぐに巨大な羽根を持つ魔獣の姿を発見する。身体は蝙蝠と言うより虎に似た姿で、耳がかなり発達していた。体毛は真っ黒で、その点はいかにも蝙蝠のボスに見える。
「、、、化けネココウモリ?」
 星が間抜けな表現で感想を言う。 
 と、魔獣の周囲を飛んでいた四十体ほどの蝙蝠型異獣の群れが、恵理たちを目がけて一斉に向かってくる。
「よし、まずは前衛の異獣を倒すぞ。」
 恵理の指示で、四人は逆に先手を取って異獣の群れに襲いかかる。
「よっしゃ、今度は思いきりやるぜ!」
 地上では逃げる役だった星が、鬱憤晴らしとばかりに多数の槍を出現させ、猛スピードで群れに飛ばして異獣を次々に串刺しにする。
「ふっ、遅れを取ってはいけませんな。」
 水木も氷の矢を出現させて、異獣を次々と刺し殺していく。
 強力な能力を持つ選りすぐりの退魔師四人の前に、蝙蝠型異獣が四十体がかりでも旗色は悪かった。そもそも、異獣の攻撃は彼らの強力な防御結界に阻まれて傷一つ付ける事が出来ない。恵理の六門の機関砲の威力はここでも凄まじく、あっという間に異獣の数は半減してしまった。

「一体でも逃すとやっかいだ。撃ちもらすな。」
「わかってますって、、、、あれ?」
 逃げ惑う異獣を追っていた星は、巨大魔獣が遠ざかっていくのに気づく。
「あいつ、逃げる気か!?」
「むっ、いかんな。まるでかかって来ないとは。」
 魔獣はどんどんスピードを上げて、明らかに逃げる行動に入っていた。しかし、異獣の群れはまだ全て倒してはいない。
「、、、春日様、あいつは俺が追いかけます。任せて下さいっ!」
 星が恵理に追撃を志願する。
「む、、、。判った、お前に任せよう。しかし、無理はするな。」
「了解っ!!」
 スピードを急加速させて魔獣の後を追う星。恵理は不安を覚えながらも、残りの異獣の殲滅に集中する。

 星は、スピードを上げて雲に隠れながら逃げようとする魔獣を追撃する。
「待てよっ、この臆病猫っ!!」
 すると、その声に反応したかの様にスピードを緩め、身体の向きを反転させて星と対峙する魔獣。
「おし、観念したか。一気にケリをつけてやるぜ。」
 そう言うと、星は槍玉の能力を最大限に引き出し、一気に十本もの槍を周囲に出現させる。
「やあっ!!」
 十本の槍が、魔獣に向かって襲いかかる。魔獣は避けようともしない。
 、、、、バシバシッ!!、、、激しく音を響かせて、全ての槍が空中で弾き飛ばされた。
「むっ、、、、」
 星の表情が厳しくなる。魔獣の防御結界に跳ね返されたのだ。彼の槍は多少の防御結界を無視して貫通する力があったが、この魔獣の結界はかなり強固だという事になる。
 星が更に槍を出現させようとした時、魔獣の方が先に仕掛けた。ゴオッ!!魔獣の正面に小型の竜巻の様なものが出現し、それが星めがけて猛スピードで飛んでくる。
「わあっ!!なんだっ?!」
 凄まじい強風に煽られて後ろに吹き飛ばされる星。彼が羽玉で出していた鷹型の羽が竜巻の風圧を直接受けてしまったのだ。防御結界が無ければ、彼の身体そのものが捻じ曲がってしまう風圧である。
「くっ、くそっ」
 何とか体制を立て直し、今度は一本の槍を出現させて、それに法力を集中させる。
「なら、こいつで、、、」
 槍を直接手に持って魔獣に投げようとするが、魔獣は巨体に似合わない素早い動きで星の背後に回りこむ。
 そして、魔獣は牙がずらりと生えた禍々しい口を大きく開けて、強烈な超音波を星に浴びせる。
「わああああああっ!!!」
 魔獣の超音波は星の結界では防ぎ切れなかった。凄まじい振動を身体に受け、鼓膜を破られた星は気絶してしまう。

「、、、、、、、、」
 意識を失った星の背中から羽が消え、浮力を失った彼の体は石の様に落ちていく。止めを刺そうとそれを追う魔獣。
「ギイッ!!」
 その時、どこからか一本の薙刀が稲妻の様に飛んできて、魔獣の左の翼に深々と突き刺さった。悲鳴をあげて怯む魔獣。
「星!!」
 薙刀を放ったのは恵理だった。落ちていく星を追って急降下し、念動力で彼の体を拾いあげる。
「ギギ、、、、」
 恵理の姿を認めた魔獣は、傍目にもはっきり判るほどその態度を豹変させる。くるりと背中を向けると、負け犬の様に逃げ出した。
「む、、、」
 恵理は遁走していく魔獣をちらりと見たが、まずは星の方が心配だった。生体オーラなどで身体の機能をチェックすると、防御結界のお陰でそれほど重症ではない様だ。
「晴美、水木。星を頼む。早く病院へ。」
 恵理は、後ろから追ってきた二人に星の身体を渡す。
「、、、、あと、機関砲を持っていってくれ。支えられるか?」
 彼女は自分の左右に浮いていた二十mm機関砲六門をひとかたまりに重ねて、水木の方に寄こす。
「ううっ!おっ重いですね、、、、、。」
 水木の念動力では、支えられるギリギリの重量だった。
「重過ぎるなら、適当な場所に落としてくれ。、、、、、私は魔獣を追う。」
「しかし、また恵理様お一人では、、、、」
 晴美は心配そうに恵理を見るが、彼女は既に魔獣の飛び去った方向に向かおうとしている。
「私は大丈夫だ。星の事は任せた、頼むぞ。」
 恵理は急速にスピードを上げ、最後の言葉は晴美たちにすら聞こえにくかった。


 逃げる魔獣を追い、恵理は羽玉と力玉を併用して雲の中を高速で飛行する。まもなく魔獣の気配を捉え、黒いシルエットが前方に見えてくる。
”よし、このまま一気に、、、、”
 恵理は再び薙玉を使おうとしたが、その前に魔獣が急加速する。さらに高度を上げて雲の上に飛び上がった。
「むっ、、、」
 恵理も魔獣を追って上昇する。雲の上に出ると、眩しい青空が広がっていた。空の濃い青と、眼下に広がる雲海のコントラストが美しい。まさに天上界である。
 しかし、恵理は景色を楽しむ気はなく、猛スピードで逃走を続ける魔獣を追う。
 魔獣は恵理に対してまるで戦う素振りを見せなかった。最初から勝敗は決まっているとでも言う様に。
 ”恐らく、低空で蝙蝠型異獣と戦っている際に姿を見せなかったのは、自分を恐れていたからだろう、、、、”と、彼女は想像する。
 知能が高く、知覚も発達している魔獣の一部は、恵理の凄まじい強さを直ぐに見抜く事が出来るらしかった。 

”、、、、しかし、この速度は、、、”
 必死で逃げているのか、魔獣のスピードは更にどんどん加速していった。このままだと振り切られてしまう。
”やむを得まい”
 恵理は、背中に展開していた羽を消す。これ以上のスピードだと羽の空気抵抗は邪魔でしかなかった。力玉の念動力だけで飛行する恵理。
”しかし、この状態でいつまで持つか”
 羽を使わずに念動力の力だけで高速飛行すると、莫大な精神エネルギーを消費する。流石の恵理と言えども長時間の飛行は不可能だった。
 恵理が羽を消して加速すると、魔獣も更に加速を続ける。
”まさか、音速を突破出来るのか?”
 恵理が疑問に思った直後に、異獣は本当に音速を超えた。ソニックブームが周囲に発生する。しかし、追う恵理も音速を突破して続く。

 マッハ1.2程度の速度で飛び続ける両者。1分、2分、3分、、、、。ついに恵理の精神疲労が限界に近づいてきた。頭の芯に軽い頭痛を感じ始める。
”うむ、、、、これまで、か、、、”
 まだ魔獣との距離は1kmほど離れていたが、やむを得ず薙玉を準備する恵理。この距離では致命傷を与えるのは難しいが、足止め程度にはなるかも知れない。
 、、、、と、恵理が薙刀を生成する前に、魔獣の方がスピードを落とし始めた。
”む?、、、”
 見ると、魔獣の飛行が乱れてふらつき始めていた。更にスピードが落ち、音速を割ってしまう。
”お前の方が、先に疲れたか”
 恵理は、にやりと笑うと、最後の力を振り絞って加速する。一気に魔獣のシルエットが大きくなり、恵理はその背中側に回った。
 魔獣の真上、距離は十メートル程。絶好の攻撃ポジションを取る。
”私も限界だ、一気に勝負を付ける”
 恵理は、右手に薙刀を生成させると、その刀身に法力を集中させ、魔獣めがけて投げる!!
 薙刀は魔獣の防御結界を貫通し、更に魔獣の首の付け根の位置をざっくりと貫いた。
「!!!」
 薙刀の一撃は、魔獣の脊髄と気管を同時に貫き、完全に断ち切った。
 断末魔の悲鳴を上げる事すら出来ず、身体のコントロールを失った魔獣は、全身を弛緩させて、雲海の中に落ちていった。

 
 
「、、、、、、、、、」
 恵理はその場の空中で停止し、羽を再度展開してホバリング姿勢を取る。彼女は視覚に精神を集中して眼下の雲を透過し、落下していく魔獣の身体を見ている。魔獣は回復する事なくそのまま落下していき、その巨体を地面に激突させた。

「倒した、か、、、、、、、うっ、」 
 恵理の美しい顔が苦痛に歪み、顔を右手で押さえる。
 音速を超える超高速移動を行ったため、恵理の精神は相当に疲労していた。彼女は激しい頭痛と眩暈を感じて、背中を丸めて顔を覆う。
 通常、恵理は生理機能の全てを自己の意思で管理していたが、精神の平衡が崩れると、様々な苦痛が一気に彼女に襲いかかる。

「和哉、、、、様、、」
 苦悶の表情の恵理は、割れる様な頭痛に耐えながら、最愛の人の名を呼ぶ。
「和哉様、、、、和哉様、、、、和哉様、、、、」
 和哉の名前を、本当に呼びたい呼び方で、すがる様に連呼する恵理。
 恵理は、本当は和哉にもっと素直に甘えていたかった。妙や頼子の様に、、、、。年相応の、無垢な少女として、、、、。
 今、ここに和哉様が居て、優しく抱きしめてくれたなら、この痛みも疲れも全て吹き飛ぶだろう、、、、と、彼女は思う。
 それなら、思い浮かべるだけでも和哉は助けてくれるかもしれない。
 恵理は、和哉の優しく包み込んでくれる笑顔を精一杯思い浮かべる。
「、、、、、、、、、」
 すると、本当にそれだけで精神の平衡が戻ってきた。彼女自身信じられない程の効果で、身体が一気に楽になる。
「ありがとうございます、和哉様、、、。」

 疲労感はまだ激しかったが、自身の生理機能のコントロールを回復して苦痛は無くなった。
 超音速で魔獣を追撃していたため、わずか数分で恵理の位置はH市から西方に50キロメートル以上も離れてしまっていた。指揮デバイスを使って待機中の菊池に連絡を取る。
「、、、魔獣は倒したぞ、菊池。高速で追ったので、かなりH市から離れてしまった。これから戻る。」
『恵理様っ?!、、恵理様、ご無事ですかっ!通信が途絶えて心配しておりました!』
 かなり切迫した、彼らしくない口調で応答してくる菊池。何故か恵理への呼び方も変わっていた。
「ははは、私は大丈夫だ。そんなに心配せずとも良い。」
『そうですか、良かった、、、えり、いえ春日様。 蝙蝠型異獣は完全に殲滅しました。この度のご活躍とご采配、御見事でございます。』
 仮想モニターに映る菊池が、感服した様に頭を下げる。
「ふむ、、、菊池や他の皆もご苦労だった。星の容態はどうだ?」
『はい、鼓膜は破れていますが他は軽症で、回復まではそれほどかからないと思います。』
「そうか、それは良かった。」
 恵理は、その知らせに心から安堵の表情を見せる。
「、、、では、多少疲れたので、空を見ながらゆっくり帰るとしよう。後片付けは頼む。」

 恵理はそう言うと通信を切り、素晴らしく澄んだ雲海の上の青空を、のんびりと漂う様に浮かんで進んでいく。輝く白い翼を広げたその姿は、まさに天使の様だった。




ーーーーーーーー 続く





 「初恋の人」その7です。
 ついに恵理の本気の能力の一端が発揮される回で、超人的な彼女の戦いっぷりがメインの話です。
 六門の機関砲を周囲に従えるイメージは、ぶっちゃけガンダムのファンネルやドラグーンシステムみたいな物と考えてもらえれば判りやすいかも。恵理の場合、それをすべて念動力で操作している訳ですが。
 退魔師というファンタジー的なキャラにはおよそ相応しくない重火器の使用は、当初から考えていたイメージで、私自身がファンタジーや魔法よりも火砲や戦車に馴染みのある人なので、そうなりました。

 あと、恵理と真面目に戦わずに逃げてしまう敵、というのも描いてみたかったシチュエーションです。
 武装ヘリを撃墜したりして、大仰な前振りの割には情けない魔獣でしたが、魔獣にとっては、それだけ恵理が化け物の様な恐ろしい存在に見えている、という描写にしているつもりです。

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