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LIBERTY・オリジナル18禁アダルトフィギュア ガレージキットの、販売用完成品製作日記&原型製作進行を記していくブログです。
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春日 恵理編  27 初恋の人  その8

 ----話は、一日前の蟻集市に戻る。
 その夜、自宅の玄関で津軽梨佳とばったり顔を合わせてしまった和哉は、泣きながら走り去る梨佳を追おうとしたが、横にいた妙に腕をむんずと捕まれ、強引に邸宅に戻されてしまった。

 鬼の形相の妙にまったく逆らえず、居間に連れて来られる和哉。居間にいた頼子が何事かと二人に近寄る。
「どうしたの、、、、、うっ。」
 頼子は和哉に話しかけようとしたが、只ならぬ妙の様子に気づいて押し黙ってしまう。
「和哉くん、すわりなさいっ。」
「は、はい、、、。」
 大きな身体を小さくすぼめてソファーに座る和哉。一方、妙は小さな身体を仁王立ちにしてふんぞり返っていた。虎の様な威圧感のある視線で和哉を睨みつける。
「、、、、あのひとと和哉くんはどういうかんけいなのっ。あらいざらいはくじょうなさいっ。」
「あ、いや、その、あの娘はだなあ、、、、。」
 妙の気迫に圧倒されながら、なんとか弁解しようとする和哉。
「あのこは、なに。」
「あの娘は、二年前クラスで一緒だった同級生なんだよ。偶然久々に街で会ったからさ、ちょっと懐かしくて話をしていただけだ。それだけだよ。」
 和哉は大まかな部分は正直に事実を言って説明したのが、妙はまったく納得した表情を見せなかった。

「ふうん、どうきゅうせいねえ、、、、」
 妙はそう言うと、居間の壁にある小さな棚から封筒を取ってきて、そこから何枚かの写真を取り出した。
「、、、これが、どうきゅうせいの仲にみえるの?」
 そう言って妙はテーブルの上に写真を並べる。そこには、昨日に和哉と梨佳が喫茶店や公園で親しく会っていた時の様子が映っていた。
「うげっ?!こっ、これは、、、、、」
 刑事に証拠を突きつけられた容疑者のごとく、目をむいて激しく動揺する和哉。
「じつは、きのうのでーとの時、わたしと美帆子ちゃんであとをつけていたんだよね、、、」
 背筋も凍る冷たい笑いを浮かべる妙。昨日の尾行の際、美帆子は望遠付き小型カメラも持参していて、証拠写真を何枚も撮っていたのだった。  
「これでも、ただのどうきゅうせいだといいわけする気?、、、、」
 テーブルに広げられた写真を見て、離れて様子を伺っていた頼子も近くに来て写真を取って見る。
「うわっ、ホントにデート中みたい、、、お兄ちゃん、これって、、、。」
 頼子も顔を上げて和哉を疑惑の目で見る。
「いや、それは、そのだなあ、、、。」
 弁解しようにも言い訳の言葉が浮かんでこない和哉。
「だから、このひととはどういうかんけいなのっ。」
「私も聞きたいなあ、お兄ちゃん。」
 頼子も加わった二人からの刺すような視線攻撃に、和哉はたじたじとなってしまう。


 次の日の朝、居間では三人が朝食を取っていた。妙と頼子の前にはトーストと目玉焼きと軽いサラダ。そして、和哉の前にはコーヒーが一杯。
「、、、、えーと、俺の朝食は、、、、」
「じぶんでコンビニにでもいってかってきてね。」
 にべもない態度の妙。
 和哉を無視して朝食を済ませた妙と頼子は、鞄を持って登校準備をする。
「じゃ、いこっ、頼子ちゃん。」
「うん、行きましょ、妙さん。」
 二人はにこやかに笑いあって居間を出て行こうとする。
「あ、、あのな、妙、、、、、」
 何か言おうとする和哉を、ギロリと睨む妙。
「あのひととはきちんとはなしをつけてねっ。それまで食事はなしだから。」
 そう言うと、二人はさっさと玄関を出て行ってしまった。
「はぁ、、、、、、」
 ソファーの上でため息をつく和哉。

 その日は射撃訓練場での講習は無かったので、和哉は午前中、邸宅の三階にあるトレーニングルームで一人汗を流していた。
 邸宅のトレーニングルームは、結構広めの部屋に最新のトレーニングマシーンがいくつも並んでいる。
 これらの高価すぎる設備は、和哉が恵理に”何か手軽なトレーニング機器が欲しいな”と言ったら、数日のうちに業者が運んできて設置していった物である。和哉の事となると、恵理は金銭感覚が少し外れる事がしばしばあり、不相応に高価な品物が邸宅内にはけっこう転がっていた。
 折角あるのに使わないと損だと、和哉は日頃からトレーニングルームを愛用している。最近では頼子も使い始めていたので、恵理が衝動買いした品物の中では有効活用されていると言える。

 一通り汗をかいてシャワーを浴びた後、和哉は適当な私服を着てスプリングサンズに向かう。気は重かったが、昨晩泣きながら走っていってしまった梨佳の事は気になっていた。
 店内に入ると、梨佳とは別のウェイトレスが出迎えて空いている席に案内される。店内を見回したが、彼女の姿は見当たらなかった。
「ご注文はお決まりでしょうか。」
 和哉のテーブルにやって来たのはアンドロイドの春日野巴だった。和哉は梨佳の事を聞いてみる。アンドロイドなら余計な事を詮索せずに教えてくれるだろう。
「あの、、、この店に勤めている、津軽梨佳という店員はいるかな。」
「はい、津軽さんは、今日はお休みです。何か急用があるとの連絡が入りまして。」
「そ、そうか、、、判った。」
 すると、巴の方が、好奇心に満ちた目で、自分から和哉に向かって話しかけてきた。 
「あの、、、、失礼ですが、牧野さんですよね?津軽さんからあなたの事は聞いていますよ。」
「え?、、、」
 意外な事をアンドロイド店員に言われ、虚をつかれる和哉。
「津軽さん、貴方の事で本当に頭が一杯みたいですよ。ふふふっ。あの人を大事にしてくださいね、私も協力しますから。」
「ああ、、、そ、そう。」
「あと、津軽さんは明日はオフ日ですから、明後日の日曜日にご来店頂ければ彼女とお会い出来ますよ。」
 巴は梨佳と出会うアドバイスまで与えた後、和哉からオーダーを聞くと店の奥に去っていく。
 アンドロイド店員がまさかそんな人間的な会話をするとは思わなかった和哉は、きょとんとして巴の人形の様な細い後姿を眺めていた。

 巴については驚かされた和哉だったが、結局梨佳には会えなかった。
”どうしようか、、、、。”
 思案した和哉は、一昨日彼女から住所を聞いていた梨佳のアパートに行ってみる事にした。幸い、スプリングサンズから歩いて五分程度の近所である。
 住所を頼りに行ってみると、築50年くらいにはなりそうな、古ぼけた二十世紀風のアパートだった。二階に上がって津軽の表札を確認すると、玄関のドアが半開きになっている。
「こんちわー、津軽さん。、、、、」
 梨佳が在宅なのかと思い、玄関から中に入る和哉。しかし、部屋の中は人の気配が無く薄暗い。
「、、、居ないのかな。」
 台所の流しには、食事の後の食器やスーパーの弁当の空などが散乱している。女性の割にはあまり綺麗な台所とは言えなかった。そのまま、半開きの部屋のドアを開けて奥に入る和哉。
「、、、、、、、!、、、」
 そこに広がる異空間に、和哉は息を呑む。
 その部屋には、壁中に、アニメや漫画の美少年のキャラクターのポスターが埋め尽くす様に貼られていた。部屋の脇や床には漫画雑誌や同人誌の山。古い型のTVの横にはビデオやゲームソフトが積み重ねられ、フィギュアの類なども散乱している。極めつけは、乱れたベッドの上に鎮座する美少年のキャラクターが印刷された抱き枕だった。
「、、、、、、、、、、、、、」
 和哉は、無言で後ずさりすると、アパートの部屋からすみやかに退出して、ドアをしっかり閉める。
「、、、、、見なかった事にしよう。」
 和哉はそう呟くと、足早にアパートを去っていった。



 結局その日は梨佳に会う事は出来なかった。その後携帯で連絡してみたが、圏外になっていたので簡単な連絡メールのみを送信しておく。
 午後の剣道部の稽古には出席して、夕方に帰宅する。どうも気の抜けた一日だった。
 
 居間に入ると妙は既に帰ってきていてキッチンで夕食の支度をしていた。
「、、、、、ただいま、妙。」
「あっ、和哉くん、、」
 一瞬妙の顔がほころぶが、直ぐにツンとした厳しい表情に変わる。
「、、、、あのひととは、おはなしをしてきたの?」
「あ、いや、、、、今日は彼女は留守でな。ちょっと会えなかった。」
「ふうん、、、、じゃあ、こんばんはご飯なしだね。」
 妙は、疑惑のまなざしで和哉を見つめて言う。
「そりゃ勘弁してくれよ~。明日にでもちゃんと話すから、なあ?」
「、、、、まあ、夕ご飯はたくさんつくりすぎちゃったから、あまった分はたべてもいいけど?」
 そう言ってぷいと背中を向ける妙。

 夕飯の後も、妙と頼子は二人で仲良く談笑していて、和哉は完全に仲間はずれにされてしまっていた。
”まあ、しょうがないか、、、、”
 自分は怒られてしまっているが、梨佳の騒動のお陰で、ぎくしゃくしていた妙と頼子の仲が戻ったというのは、不幸中の幸いだった。
 自分の事はともかく、女同士のいさかいは男の和哉にとってはなんともしがたい。笑いあう妙と頼子を見て和哉は安堵する。

 TVのニュースをぼんやり見ていると、H市の蝙蝠型異獣騒ぎの報道をやっていた。
『、、、自衛隊の防衛部隊は、退魔師衆と飛燕機関の協力も得ながら、本日午後三時頃には、市の北部に現れた蝙蝠型異獣の大集団を完全に撃退する事に成功しました。なお、方面隊指揮官の、、、、』
「おっ、こりゃすごい事件があったんだなあ。異獣の大群か、、、。」 
 和哉は、警備員の仕事とも関係するニュースだったので、思わず身を乗り出す。
 TVでは自衛隊の指揮官が誇らしげに異獣退治の成果を発表している。
「さすがにこの規模だと、自衛隊がメインになるんだな。飛燕機関や退魔師は市内でサポートか。」
 本当の事情を知るわけでもない和哉は、素直に報道を真に受けて頷く。春日退魔師衆はあまり一般世間に存在をアピールする事には感心が無く、自衛隊や飛燕機関に戦果発表を譲る事も多かった。
 もちろん、異獣と最前線で戦う現場の人間達にとっては、退魔師衆に対する信頼は絶大なものがあり、春日家と恵理にとってはそれで十分なのである。
「恵理さんも、今日はH市に行ってたのかなあ。」
 ニュースを見ていた頼子がぽつりと言う。
「、、、多分そうだろうな、この規模の異獣退治になると。」
「ほんとに大変ですよね、恵理さん。こないだも来たと思ったら直ぐ仕事に行っちゃったし。」
「、、、、、、、、」
 気がつくと、妙は何か言いたそうな顔で和哉を見ている。
「?、、どうした、妙」
「、、、、わたし、こういうニュースはあまりみたくないんだ。チャンネル、かえてもいいかな?」
 和哉はもっと異獣関連のニュースを見たかったが、妙の表情は切実だった。
「、、、、そうか、いいぞ、変えても。」
 妙は、自分の手前に表示させた仮想リモコンを操作して、チャンネルをお笑い番組に切り替えた。



 次の日の朝、和哉は携帯のメールをチェックしたが、梨佳からの返信は無かった。直接かけてみるが、今度は向こうは携帯の電源を切っているらしかった。
「、、、、、避けられてるのかな。」
 今日は土曜日だったが、蟻集高校は午前だけ授業があった。その日の朝は、妙は和哉にも朝食を出してくれたが、彼を無視する素振りは変わらなかった。会話は無くとも、朝食を済ませて学校に登校する妙と頼子を、玄関の外に出て手を振って見送る和哉。

 土曜日も午前中は特に予定が無く、午後の剣道部の稽古も休みだったので、和哉は一人のんびりした気分で本を読んだりトレーニングルームで汗を流したりして過ごす。
 正午少し前、空腹を覚えたので外食しようと外に出る和哉。
「今日は、邦枝さんの店に行こう。」
 そう決めた和哉は商店街に向かって歩いていく。途中、華やかな看板の目立つスプリングサンズの店舗が見え、彼は窓越しに店内を確認したが、昨日アンドロイド店員の巴に教えられた通り、やはり梨佳は見当たらなかった。

 そのままスプリングサンズを通り過ぎて下町通りに入ると、まもなく庶民的な大衆食堂の店構えが見えてくる。そっけない白壁の建物だが、入り口は綺麗に掃除されている。ここが肝っ玉母さん明智邦枝の経営する大衆食堂で、頼子の実家でもある。
「こんちわーっす。」
 挨拶をしながら店内に入ると、店内は結構客で賑わっていた。
「あっ、牧野さん、、、お久しぶりです。」
 和哉に挨拶を返したのは、女性店員の一人、今川幸代である。彼女は頼子の実の兄である明智信永の恋人だった。どちらかと言えば地味な風貌の娘だったが、小柄でふくよかな体つきは、古きよき日本的な女性像を思わせる。 
「やあ、久しぶり。信永は居るかい。」
「すみません、今、丁度出前で出ていて、、、。」
「昼時で忙しそうだもんな。繁盛してて良い事じゃないか。」
 和哉が厨房に近いカウンターに座ると、奥からたくましい体つきをした邦枝が出てきた。
「やあっ、番長さんっ。いらっしゃいっ!ご無沙汰だねえ~。」
 店内に響く大声で和哉を出迎える邦枝。厨房に篭っていたのか顔に汗が滲んでいる。
「かき入れ時で大変そうだなあ。ギョーザ定食一つ頼むよ。」
「毎度っ。ギョーザ定食、もちろんご飯大盛りだよね。」
「ああ。よろしく頼みます。」
 再び厨房に消える邦枝。やはり、和哉にとってはこの店の方がファミレスより居心地が良かった。こういう庶民的な店の中に漂う、雑多な匂いと客たちの喧騒は、いつの時代でも人を引きつける魅力がある。

「はいっ、ギョーザ定食、お待ちっ!!ご飯はサービスしといたからね。」
 碗から溢れるほど大盛りになった飯が付いたギョーザ定食を運んでくる邦枝。
「、、、そういや、あんた飛燕機関の試験に合格したそうじゃないか!さすが番長さんだねえ~。たいしたもんだ。」
 頼子に聞いたのだろう。邦枝はそんな事を言ってくる。
「ああ、まあな。思ったよりは直ぐに合格できたよ。」
「本当かい?!いや~、あそこは結構大変だって聞くよ。あたしゃあんたは大物になるって前から目をつけてたからね。頑張ればもっと上を目指せるよ、番長さんは。」
 邦枝は、和哉が不良グループに居た数年前からの付き合いで、とかく社会との軋轢が多かった彼にとっては、数少ない大人の理解者だった。和哉は邦枝だけには頭が上がらず、また彼女を心から尊敬もしている。
 和哉は、警備員への就職の件で邦枝と相談したかったのだが、今は忙しくて手が離せそうに無かった。また後日に改める事にしようと考え直す。
「、、、、ああ、美味かった。ごちそうさま。やっぱしこの店の飯が一番美味いよ。」
「そうかい、そりゃ嬉しいねえ。もっと来ておくれよ。頼子の事も聞きたいしさ。」
「そうだな、、、。じゃあ、平日の空いてる時にまた来るよ。信永の顔も見たいし。」
 和哉は、少し会話を交わした後、邦枝と幸代に挨拶して店を出る。

 とりあえず午後も暇だったので、和哉はどうしようか迷ったが、釣りの道具でも見に行こうと思いつき、駅の反対側にある蟻集市の中央繁華街の方に向かった。



 丁度その頃、H市での異獣退治を終えた恵理は、藤堂の専用車に乗ってA市に向かっていた。
 昨日の戦闘でかなり精神力を消費した恵理は、後部座席に身体を横たえて仮眠を取っていた。彼女がこうやって仮眠を取る事は滅多に無く、緊急処置で超音速飛行を行った際の疲労は大きかった。
 専用車はオートドライバーで自動運転されていた。藤堂は運転席から振り向いて、眠っている恵理の姿を覗いて見る。藤堂も眠っている恵理を見た事は数回しか無い。
 静かに寝息をたてている恵理の姿は美しかった。長い髪がシートの上に広がり、幻想的なウェーブを周囲に形作っている。目を閉じている彼女の顔はあどけなささえ感じる幼さを残していて、成熟した身体のラインとのギャップが、たとえようも無いエロスを感じさせる。
 藤堂は、そんな恵理の姿を思わず凝視してしまう。彼にとって恵理は雲の上の住人であり、性的な女として見るのはとんでもない事だったが、あまりに強すぎる恵理の色香がそんな藤堂さえも迷わせる。

「う、うん、、、、」
 藤堂が思わず身を乗り出して凝視していたその時、恵理が眼を覚ます。あわてて前の方を向きなおす藤堂。恵理は一瞬だけ寝起きのぼやけた表情をしていたが、直ぐにいつもの涼やかな目付きに戻る。
「む、少し寝すぎたかな。」
「、、、、え、A市まではもうすこし時間がありますから、もっとゆっくりお休みになっていても大丈夫ですよ。」
 さっきまでの事はそ知らぬ振りで話す藤堂。
「いや、もう十分だ。疲れはほぼ取れた。、、、私が休んでいる内に、何か連絡は?」
「いえ、特別は、、、、、」
 藤堂が言いかけたその時、車内の通話機から着信音が鳴り響く。素早く手元のモニターを開く恵理。
『、、、、春日当主様ですか。蟻集市警察の異獣警備課です。実は、先ほど午後一時過ぎに異獣の群れが市街の警備網を突破して市街地に侵入した模様です。』
「なにっ?異獣の種類と数は。」
 急な知らせに恵理と藤堂の表情に緊張が走る。
『異獣は最近良く出没していたヘルハウンド型と思われます。ただ、数が数十頭と多く、警備職員が襲われて警備網が突破されました。現在中心街に職員を向かわせておりますが、群れはまだ発見出来ておりません。』
「うむ、、、、判った、私も直ぐに現場に急行する。」
 通話を切ると、恵理は正面に向き直って藤堂に命ずる。
「藤堂、飛行モードだ。事は急を要する。」
「了解しました。」
 藤堂はメーターパネルの横にある変形ボタンを押すと、彼の前にあるメーター類のパネルが飛行用のコンソールに変形する。
 専用車の後部左右が開いて飛行用ノズルが現れ、車体下部にあるホバー用ノズルが作動して、専用車が空中に浮かび上がる。
”和哉達に危険が及ばなければいのだが、、、。”
 恵理は、H市でも見せなかった不安な表情で、上から下に流れる車外の風景を見ていた。
 専用車はホバリングで空中五十メートル程に上昇すると、車体下部に折りたたんでいた安定翼を展開し、一気に加速して上空に舞い上がった。



 その日、オフ日でスプリングサンズを休んでいた津軽梨佳は、蟻集市の中央繁華街に居た。
 長い髪を無理にまとめて深い帽子の中に隠し、大きな丸眼鏡をかけて、身体にはだぶだぶのパーカーを羽織っている。ちょっと怪しい格好だったが、お陰で彼女の美貌が隠れて男があまり寄り付かないという利点があった。
 このスタイルは、最近”怖い男の人に追いかけられる”事が多いため、困った梨佳が巴に相談した際に考案してもらった格好だった。梨佳は自身の美しさが男を引きつけているという自覚がまったくなかったが、巴が気を利かせてカバーしてやっていた。

 梨佳は、一昨日の夜に牧野邸から逃げる様に去った後、一晩中アパートの部屋で泣いて過ごし、次の日は傷心を癒すために、A市のシネマ館通りに行って一日中アニメ映画に没頭していたのだった。
 そして、今日の梨佳は蟻集市で最も賑わう中央繁華街に来て、その一角にあるオタク専門店街に来ていたのである。とにかく二次元の世界に逃避する事で、彼女は失恋の傷を癒そうとしていた。
「、、、、えーと、次はオタげ屋かぁ~、新作の同人ソフトは入ってるかなっ。」
 梨佳は、ゲームソフトやポスターなどが詰まった紙袋を二つほどぶら下げている。今後立ち寄る店でもあといくつか追加される筈だった。
「、、、、、、、」
 そんなオタク世界に浸っていても、ボーっと歩いている内に、梨佳は和哉の事を思い出しそうになる。
「ううううっ、現実の男なんて邪道よっ。わたしには又兵衛様が居るんだからっ。」
 極度に美化された戦国武将の顔を思い浮かべて和哉の事を消し去ろうとする。

 オタク系ショップを梯子した梨佳は、やけ買いとばかりにかなり散在してしまった。重い紙袋を四つも抱えて、少し裏の方の通りをよたよたと歩く梨佳。
「おっ、重い、、、、。」
 あまり体力の無い梨佳は近くにあったベンチに腰を下ろし、買ったばかりの小説本を紙袋から出して読みながら少し休む。

 と、道の向こうから、なにやら焦った表情をした男が走って来て、梨佳の前を通り過ぎる。しかし、彼女は小説に没頭していて気にも留めない。
「わっ、わあっ、、、、」
 更に数人の男女が、何事かうわごとの様に呟きながら梨佳の前を走り去る。
「?、、、、、、、」
 ようやく何事かと顔を上げる梨佳。
「うわっ、ぎゃっ!!ああああっ!!」
 通行人が走って来た方向から、誰かの凄まじい悲鳴が聞こえた。
「にっ、逃げろっ、異獣だっ!!、、、何匹もいるぞっ!」
 恐怖で顔を引きつらせた大勢の通行人達が、悲鳴の上がった場所から必死に逃げてくる。
「、、、何をしてるんだ、こっちに来い!!」
 逃走してきた通行人の一人が、梨佳の手を取って強引に引っ張る。
「ああっ、荷物~、、、、」
 ベンチの横に置いてあった四つの紙袋を取ろうとする梨佳。
「早く来いっ、死にたいのかっ!!」
 大柄な男は、かまわず梨佳の手を掴んで走り出す。

 やむなく一緒に走りながら、まだ紙袋に未練がある梨佳が後ろを振り返ると、ちらりと、倒れている人のような物に食らいつく、巨大な犬の様な影が目に入る。
”あれ、何?、、、、”
 梨佳には、咄嗟にそれが何なのか理解できなかった。危険も恐怖も感じなかった。
 なにもかもわけがわからないまま、彼女は逃げる通行人達と一緒に、裏通りを走り続ける。


ーーーーーーーー 続く
 





 「初恋の人」その8です。
 恵理の戦闘パートが終わり、日常のラブコメ回に戻ろうとするが、一般人の梨佳たちにも異獣の恐怖が襲いかかる、、、という回です。
 春日恵理編は、日常と異獣の脅威という非日常が隣り合わせにあるという世界観なので、恵理以外のヒロインもまったく危険と無縁という訳にはいかない訳です。
 ただ、ヒロイン死亡などの欝展開は恵理編では考えていないので、その点はご安心を。

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